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撮影:高野生優(フォトアートたかの)
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即興演劇で人も街も元気に
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台本ナシ。即興(インプロヴィゼーション)で演じられる芝居、インプロ。一般の人が気軽に参加できるワークショップ(体験型の講座)を企画するほか、県内の企業などでも指導を行う渡辺奈穂さん。「ワークショップは、失敗を恐れずに思い切って自己表現、チャレンジできる場。日ごろの自分の言動や考え方に気づいたり、新たな発見もある」と話す。「地域活性の足がかりになれば」と、現在は沖縄市を中心に展開。新たに、即興による演劇バトル「シアタースポーツ」も手掛け、来月に公演を控える。
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遊びごころを持って
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| 毎週木曜日の夜、沖縄市民体育館で行われている「定期ワークショップ」。参加者にインプロ・ゲームのやり方を説明する渡辺さん(左)。参加者と一緒になって、いや率先して弾けてワークを盛り上げる |
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| 「人が成長する瞬間に立ち会えるのがうれしい」/「演劇バトル『シアタースポーツ』を沖縄に定着させたい」 |
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筋書きもなければ、結末も決まっていない。今その瞬間に起こったことや、互いのアイデアを受け入れながら物語を紡ぎ出すインプロでは、臨機応変さや遊びごころが、ストーリーのスパイスになる。
「先が見えないことに踏み出すのは怖いし、勇気がいること。でもインプロの中では失敗によって物語が盛り上ることもあるし、思い切って飛び込めば仲間やお客さんが受け止めてくれる。つまり、失敗しても安心な場なんです」
定期的に行っているワークショップでは、体を動かしてさまざまなインプロ・ゲーム楽しみながら、即興のスキルを得ることができる。
「即興では、周りをよく見て素早く判断することが大事。反射神経を鍛えるこのゲームでは、視野を広く持つこともポイントですよ〜」。渡辺さんの説明の後に始まったのは、鬼ごっこのようなゲーム。参加者は自由な発想で動き回り、失敗してもみんな笑顔。五感をフル稼働してゲームを楽しんでいるうちに、仕事や学業、日常生活で凝り固まった体や頭がほぐれていくよう。
「思い切って踏み出してみることで未知の扉が開くという舞台やワークショップでの経験は、日常生活にもつながります。参加者から『ちょっと自分が変われた気がする』という話を聞くと、うれしくなる。人が変化したり成長するものすごくドラマチックな瞬間に立ち会えるというぜい沢な経験ができるワークショップは、やめられまへん」と笑う。
舞台演出を手掛けてきた渡辺さんが演劇ワークショップを始めたきっかけは、「好評を得ていた舞台を役者が足りなくて再演できず、悔しい思いをした。これはもう、演劇経験者を増やすしかないと思った」からだという。
2004年から東京で本格的にインプロを学び、仲間とともにインプロオキナワを設立。東京と沖縄を行き来しながら、自主企画のインプロワークショップやライブ活動を行ってきた。昨年、再び沖縄に拠点を移し、9月からは沖縄市が公募した地域おこし協力隊員としても活動。中心市街地の活性化をサポートする。
新たな試みとして、上演権(ライセンス)を取得して取り組んでいるのが、カナダで生まれた対戦形式の演劇バトル「シアター・スポーツ」。
チーム対抗でプレーヤー(役者)がお題に沿って短い芝居を即興で演じ、得点を競い合うというシアタースポーツは、「役者だけでなく、いろいろなジャンルの人たちが一つの舞台に乗れる面白い仕掛け」。
今年3月の初演が好評だったことを受け、来月、沖縄市で行われるキジムナーフェスタのプログラムとして開催される。会場は、一番街の空き店舗。市内外、本土、商店街から出場者を募り、胡屋地区8通り会の名前を掲げた8チームを編成。各商店街の代表として戦い、街を盛り立てる。
「コケちゃったけど必死で這い上がろうとしている姿や、イマイチでもやっちゃう潔さにほれぼれすることもある。プレーヤーの真剣さ、ひたむきさが、見る人の心を揺り動かすのが、即興ならではの醍醐味。誰でも気軽に参加できる演劇イベントとして定着させたい」と意気込む。演劇を通して人、街に笑顔を呼ぶ挑戦は続く。(比嘉千賀子)
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| ■ワークショップ 6月25日(土)、26日(日)に、「インプロ教育 即興園芸は創造性を育てるか?」の著者・高尾隆さんを招いて、沖縄市中央公民館で「シアタースポーツ・プレ・ワークショップ」を開催する。ワークショップ参加者は、キジムナーフェスタでの本番に参加できるかも。26日18時からは、発表会も開かれる。参加するもよし、見に行くもよし。詳細・申し込み・問い合わせは、インプロオキナワ、ブログ(http://improkinawa.ti-da.net/)。 |
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| ■ところで…+α |
| 取材のためインプロオキナワの「定期ワークショップ」に足を運んだ。撮影に集中!と、ファインダー越しに様子を見ているだけだったのが残念。以前、インプロワークショップを実体験したことがあるだけに、参加者のイキイキとした表情を見ていると、一緒になって動き回りたくてウズウズ。何よりも、渡辺さん自身が一番楽しんでいたのが印象的。講師が率先してはじけることで、参加者も心を解放しやすくなるのだろう。次はぜひ、私も参加しなきゃ。 |
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わたなべ・なほ
1969年、東京都出身。劇団木山事務所を経てフリーで活動。95年に沖縄へ移住、演劇空間「大地」に入団する。退団後、98年に演劇企画「魚の目」を結成し、代表と演出を担当する。現代沖縄口語にこだわりつつ、即興を基盤にした作品づくりと、初心者や学生向けのワークショップを行う。2004年に東京へ移住し、インプロを学ぶ。05年にはIMPROKINAWA(インプロオキナワ)を設立、沖縄でワークショップを実施、県内企業などでもインプロの指導を行う。昨年より沖縄市在住。
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