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女性専用鍼灸サロン
ひだまり堂 院長
 
加納 由美 さん
撮影:高野生優(フォトアートたかの)
鍼灸を通し体の声伝える

 「体は正直。弱るとサインを発し、いたわってあげると元気になる。そんな体の声を伝える翻訳者でありたい」。女性専用鍼灸(しんきゅう)サロン「ひだまり堂」の加納由美さんは、鍼灸に整体や気功を組み合わせ不調を改善する。「治療で痛みは和らいでも、同じ生活を続ければまた逆戻り。まずは体への意識を変えることから」と、原因を根本から改善すべく、自宅でできるセルフケアを提案。産前産後をケアするマタニティー鍼灸も学び、すべての女性の健康をサポートする。

 
妊婦もケア 安産へ導く
 
鍼灸院のイメージとは異なる、優しい明かりで落ち着いた雰囲気の治療室。治療前の脈診は、体の症状を把握するための大切なプロセス。そっと手を取り、じっくりと体の声に耳を傾ける
 
「意識が変われば、体は変化する。体は正直」/
「お灸でお腹の赤ちゃんとコミュニケーションを」
 
治療では、髪の毛ほどの細い鍼を使う。そっと軽く刺す程度なので、痛みはほとんど感じない。先が丸く刺さない鍼もあるので、鍼が恐い人でも大丈夫。1回の治療で1〜2本使って気を動かし、全身のバランスを整える。加えて、整体やマッサージによって体の緊張をほぐし、滞った気の流れを通す
 浦添市港川の外人住宅街の一角にある「ひだまり堂」には、「腰が痛い」「肩が上がらない」など、体に不調を抱えた女性が日々訪ねてくる。
 「痛みがある箇所に原因があるとは限らない。腰痛が食べ過ぎや便秘から出ることもある。体はパーツではなく、つながっているんです。原因を見極めるには、まずは体の声を聞くことから」と、問診や脈診、舌診で既往歴や体質、現在の症状を確認する。
 鍼灸だけでなく、マッサージや整体、気功を組み合わせた施術が加納さんの特徴。優しくなでるように体をほぐしながら経穴(ツボ)を軽く刺激し、全身の気の流れやゆがみを整えることで「体のバランスを正常な状態に戻していく」。足首から腰、肩、頭など全身に触れながら「かつて膝を痛めたことがあった?」「目を使い過ぎてない?」と、本人が自覚していない症状まで体から読み取り、治療を施す。
 ただし「痛みを取り去っても体の使い方を正さなければ元に戻るだけ。治すのはその人自身。体の声を伝えるのが私の役割」とサポート役に徹する。生活習慣やクセなども踏まえながら不調の原因をひも解き、一人一人に合ったセルフケアを伝授する。
 「続けられなければ意味がないから、お伝えするのは足首を回すだけとか、よく噛んで食べるなど、普段できるちょっとしたこと。でも、それだけでも実践すると違いが現れる。意識が変わるだけで体は変化するんですよ。体は正直なんです」と目を輝かせる。

 以前、アロマサロンで勤めていた時、常連客が妊娠した途端、何もしてあげられない自分がいた。「妊娠中だからこそ、ケアを必要としている人もいるはず。医療的知識があれば妊婦へのケアもできるのでは」と、国家資格である鍼灸師を目指した。さらに妊婦を専門にケアする女性鍼灸師の会「安産灸ネットワーク」でマタニティ鍼灸師としての技術を学ぶ。
 主に手掛けるのは、逆子の治療や、5カ月を過ぎて始める安産のお灸でのケア。「ひと口に安産のツボと言っても、複数の経絡が交わっている。逆子の治療でも、ツボの取り方が重要。どの経絡にアプローチするかで経過が変わるので、的確な手技が求められる」と、学んできた技術に自信をみせる。
 「今の女性は忙しく、妊娠中もゆっくりできないが、お灸の間だけは自身の体と向き合い、赤ちゃんのことを考える時間になる。お腹の子とコミュニケーションを取る手段として広まればいいな」。鍼灸を通して、お産と向き合う姿勢もアドバイスする。
 一方で、自然農法体験や体操、東洋医学講座など、さまざまなワークショップも開催してきた。「治療だけでなく、楽しみながら体と向き合い、訪れた人が元気に笑顔で帰っていく場所にしたい」。サロン名のひだまりのように、心も体も温かくなる、そんな空間を目指している。(中村美穂)
 
 
ところで…+α
 考古学の世界から、アロマセラピストを経て鍼灸の道に飛び込んできた経歴を持つ加納さん。小学生のころから考古学への道を目指していたという筋金入りの歴女。「特に縄文人が好き。縄文時代を語ると熱いですよ」と話す表情はイキイキ。縄文人は自然の恵みをみんなで分け合う争いごとのない精神性の高さがあるという。「沖縄も元々そういう土地柄。沖縄と縄文…。縄つながりということで、今年は縄文祭りをしたい!」。縄文祭りって? 興味津々です。
 
 
P R O F I L E
かのう・ゆみ
埼玉県出身。奈良大学文学部文化財学科卒業。群馬県北橘村教育委員会に勤務後、アロマセラピスト、ハーブアドバイザーへ。2005年、関西医療学園専門学校東洋医療学科に入学。07年鍼灸・あん摩マッサージ指圧師免許を取得。在学中より山本総合鍼灸所へ弟子入り。ほか、北辰会で中医学を、気楽会で気功・整体を学ぶ。卒業後は大阪、兵庫で修行を積み、2010年1月ひだまり堂を開院。マタニティー専門の整体や鍼灸、タイ伝統の産後ケアも学ぶ。ひだまり堂(完全予約制)
ホームページ http://hidamari.asia
Eメールアドレス(info@hidamari.asia)。 ※妊婦は医師の許可を得た上で予約。保険治療不可
 
 

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