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| うつ病や認知症、定年に伴う無気力…。老後を取り巻く問題に「豊かな人生を送りたいなら、HQ(人間性知能)を向上させましょう!」と話すのが、テレビでも人気の脳科学者・澤口俊之氏。11月28日に開催された講演会「めげない脳(主催・NPO法人脳文庫)」では、脳科学の観点から解決のヒントを語った。(東江菜穂) |
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介護のこと
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「HQ」は豊かに生きるカギ活性させる方法は |
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HQ向上3つのポイント
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| 1.有酸素運動を継続的にやる |
| 2.孫の世話や後進の指導をする |
| 3.夢を持ち、実現に向けて行動 |
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| 孫の世話をすることが、HQ向上につながるそう。子どものHQ向上につながるとも。男性ならば後進の指導をすることがよいそうだ |
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| ■HQとは何なのか
脳をコントロール |
「脳」は、計算、言語、音楽など、活動によって働く領域が違うことは広く知られている。それらは学校の授業などで鍛えられるが、「学校教育だけでは鍛えられない重要な部分がある。それが『前頭前野』なんです」と語る澤口氏。
「個別で働いている脳領域が『選手』だとすると、この前頭前野は『監督』。個々の選手が良くても監督が悪いとチームがまとまらない。自分自身をコントロールするために、非常に大切な役割を持っているんです」と説明。自分をコントロールすることは、他者と良い関係を作る上でも欠かせない。「私たち、ヒトではこの前頭前野が非常に発達しており、『Humanity
Quotient(人間性知能・以下HQ)』を担っています。人間特有の『未来志向的行動力』も担っている」と力を込める。
講演会ではHQの重要性を説きながら、年老いても元気で豊かに生きるヒントを解説した。 |
| ■仕事や恋愛にも影響
低下で見られる兆候 |
例えば、前頭前野が機能しなくなっても、「認識、言語、記憶などの個別的な知能はなくならない。ただ、計画性や協調性などが失われてしまう(下図参照)」と話す。
そのことから、「一流大学を出て一流企業に勤めてもすぐにドロップアウトしてしまう人などはIQ(知能指数)が高くてもHQが低いと言える。調査によると、役職や年収が高いのはHQが高い人の方だという結果もある」と語る。恋愛や結婚生活においても、HQが高いほど良い恋愛、いい結婚ができるそうだ。
しかし、現代人のHQは低下傾向にあり、老化などでも真っ先に低下するという。さらに、認知症患者は、HQを担う前頭前野が萎縮してしまっているとも。
低下の兆候としては「未来志向性が低下するので、金銭的計画性がなくなったり、社会性の低下により相手のウソや嫌みが分からなくなることも。『オレオレ詐欺』に引っかかる高齢者が多いのも、HQ低下に起因していると思う」と警鐘を鳴らす。ほかにも、自己制御力が低下し、怒りっぽくなったり泣きやすくなったり。排尿のコントロール低下や、好奇心・探究心の低下、絶望感や睡眠障害なども挙げられるという。
加齢で体や脳が衰えるのは自然の摂理。だが、「HQは年齢と関係なく向上させることができる!」と力を込める澤口氏。その方法は意外に身近で当たり前のことだった。
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| ■活性させる方法は運動や孫の世話など |
なぜ、加齢とともにHQの働きは低下するのか。「脳は多くの血液量を必要とします。しかし年をとると血管系が弱まり、脳への血液量も少なくなります。だから、ウオーキングなどの有酸素運動で血管を活性化させるのが有効」。障害物をよけるなどの動作を加えると、より効果的だそう。
また、高齢者の場合は「よく噛(か)む」こともHQ向上につながるという。「若者は咀嚼(そしゃく)によるHQ向上値はさほど高くないのですが、高齢者は若者の3倍以上の成果が出ている」と説明する。そして、女性の場合は孫の世話をすることがHQの向上、ひいては認知症予防にもつながる上、「祖母に育てられた子どもはHQが高い傾向にある」と、双方に好影響が出ることが分かっているそう。男性は、後進の指導をするのが良いそうだ。
食生活では、「栄養素でいうと、カルニチンとαリポ酸を組み合わせて取ること。ボケ防止にはレプチンも良い」とアドバイスする。
そして最後に、「夢を持つことも大事です」と語る。「実現可能な具体的な夢を持ち、それを書き留めること。できれば1年後くらいに実現できそうな中長期的な夢がいいですね。その夢に向かって生きることは、HQ向上においても重要なこと。生涯、夢を持ち続けてください」と講座を結んだ。
主催した脳文庫の喜久里美也子さんは、「昔は『脳力アップ』というと難しいことだ思われていたけれど、意外にシンプルで当たり前のことなんだなって。娘が脳に障害を持って生まれて、いろいろ模索しながら子育てしてきましたが、結局はシンプルに戻ってきた。それが間違いじゃなかったんだと。澤口先生の話を聞いて、とってもうれしくなりました!」と晴れ晴れとした表情で語った。 |
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澤口俊之著・WAVE出版
1470円(税込み) |
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11月28日に開かれた講演会「めげない脳」
11月28日に開かれた澤口俊之氏の講演会は、ほぼ満席。「私は真面目なんですよ。テレビのせいで面白い人だと誤解されていますけど。だから今日は面白くないと思いますよ」と前置きしながらも、講演会では自身の経験なども交えて会場を沸かせた。
12月には、新刊「夢をかなえる脳」を発売。自分の脳力がわかるテストや、普段の生活でできる脳力向上トレーニング方法など詳しい内容が盛りだくさん。興味がある方はチェックしてみて! |
フィネアス・ゲージの事例 |
1948年、建設作業現場の敏腕現場監督であったフィネアス・ゲージを悲劇が襲う。ダイナマイト事故で鉄の棒が下あごから頭を貫通したのだ。しかし、奇跡的に一命を取り留めた彼は、順調に回復。身体的にも言語や記憶にも問題は見られず現場に復帰したが、穏やかで効率的で粘り強かった彼は、乱暴で計画性もなく、辛抱強さもない人間に変わってしまっていたという。
澤口氏は「彼は、人間性知能である前頭頭野に損傷を受けてしまったために、人が変わったようになってしまった」と話し、前頭前野を損傷しても失われないもの、失われるものを下記のように説明した。
◆前頭頭野を損傷しても、失われないもの
・認識や言語、記憶など個別的な知能など
◆前頭前野を損傷すると失われるもの
・将来の展望、計画性など未来的志向
「今さえよければいいという考えになり、
金遣いが荒くなるなど」
・理性(感情のコントロール)、協調性、社会性
・やる気や集中力、好奇心や探究心
・主体性や独創性など |
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ホンマでっか!? 講演会こぼれ話 |
講演中、さまざまなこぼれ話をして会場を大いに盛り上げた澤口氏。最後には観客の悩みに答えるQ&Aコーナーも。その話も面白かったのでいくつかご紹介します!
「モテる黄金比率は1対0.7」
→これは女性のヒップとウエストの比率。ヒップ1に対し、ウエストが0.7くらいだと「繁殖能力が高いと判断し、男性は魅力的に感じるんです。これより太っていてもやせていてもダメですよ!」と澤口氏。自分の黄金比率をチェックしてみて。
「夫婦ゲンカを見るだけで、子どもの脳力は20%落ちる」
→夫婦の不和は、子どもに多大な悪影響を与える。それは精神面だけでなく「脳」の視点からもいえるそう。「夫婦ゲンカは犬も食わぬと言いますが、まさにそう。子どもに見せるだけでかなりの脳力ダウンにつながります。子どもの見ていないところでやってください」。
「不眠解消には、朝の光を浴びること&スクワット」
→「朝の光を浴びて、体内時計を規則正しくする」という対処法はよく耳にする。それに加え、澤口氏は「筋トレ、特にスクワットをすると精神の安定を促すセロトニンという神経伝達物質が出るので不眠解消につながるはず」と説明した。 |
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| NPO法人「脳文庫」 |
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脳文庫のホームページアドレスは
http://noubunko.org/ |
平成10年、脳障害児の保護者を中心に情報共有の場として活動をはじめたのが「脳文庫」。代表者の喜久里美也子さんは、「最初は、親御さんたちが悩みを話し合える場所になればいいなと作ったのですが、福祉や医療、教育、行政関係の方から多くの声が寄せられるようになりました。そこで、障害がある人や高齢者の視点を大切にしながら、互いに思いやる共生の心を持つひとづくり、まちづくりを目指そうと法人格を取得し、活動をしてきた」と語る。サービス介助士2級の実技教習(資格取得者約1000人)や、人材育成セミナー(参加者累計3000人)、障害のある方へのガイドブック(左写真)作成や相談事業などにあたっていたが、「今回、念願だった脳の講演会を無事に終えたこともあり、平成16年からスタートした活動を区切り、来年の3月の法人解散へ向けて準備中です」とのこと。詳細は上記ホームページでも伝える予定だそう。 |
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教えてくれたのは
澤口俊之氏
さわぐち・としゆき 1959年、東京生まれ。武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部教授、人間性脳科学研究所所長。テレビや講演などにも引っ張りだこの人気脳科学教授。著書に「学力と社会力を伸ばす脳教育(講談社)」、「モテたい脳、モテない脳(新潮文庫)」「平然と車内で化粧する脳(扶桑社)」、「わがままな脳(筑摩書房)」「幼児教育と脳(文藝春秋)」など |
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