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週刊ほ〜むぷらざ 1278号 2011年12月22日発行
 
 
  知念範紺琉装学院 学院長
知念範紺琉舞道場 会主
  知念 範紺さん
1007
 
 
 
ウチナーの美「琉装」 伝承
 
頭上でまとめた髪をジーファー(かんざし)で留める沖縄独特の「からじ結い」。あでやかな化粧、着物とともに「ウチナー女性を美しく引き立ててくれます。先人の知恵が詰まった素晴らしい琉装文化を大切に伝えていきたい」と語る知念範紺琉装学院 学院長の知念範紺(としこ)さん。研究熱心で、装う人の個性を生かす丁寧な仕事は舞踊関係や歴史イベントからの指名も多く、県内外のみならず海外でも活動する。昨年、念願だった同学院を設立し後継者育成にも力を注いでいる。
撮影:高野生優(フォトアートたかの)
 
 
学院設立 後継者育成も
 
「もっと多くの人に、琉装を楽しんでもらいたい」と、受講生や職人による「出張御内原(うーちばる)」も実施中。「依頼があれば、女官たちが出張して着付けや髪結い、化粧もします。結婚式や舞台など、特別なときだけでなく普段から琉装に親しんでもらえるきっかけになれば」と知念さん。問い合わせは左上プロフィール欄「知念範紺琉装学院」へ(写真上)
「知念範紺琉装学院」では、髪結いや着付け、化粧まで幅広く教えている。熱心に知念さんの「からじ結い」の技を見つめる生徒たち。上は70代から下は20代まで。幅広い年代の人々が学んでいる=那覇市・知念範紺琉装学院(写真右)
 
 
 

琉装には、「工芸、舞踊、先人の知恵。
沖縄の美が凝縮されています。その魅力を継いでいきたい」

 
 「髪を結い上げると、うなじの線が美しく見え、女性のあでやかさも増します。身長も高く見え八頭身美人になる。先人の知恵が詰まった髪型、それが『からじ結い』なんです」と誇らしげに語る。
 祖母や母親の影響で、幼いころから沖縄の工芸や芸能に触れていたため「ウチナーにまつわるもの、すべて大好き」と目を輝かせる。だからこそ「工芸、舞踊、先人の知恵、『沖縄の美』が凝縮されている琉装に魅了された」という。
 琉球舞踊も会主を務めるほどの腕前だが、「表舞台よりも裏方が性に合っているみたい」と笑い、舞踊や歴史イベント、結婚式などの依頼に応じる。
 モットーは「装う人の個性を生かすこと」。顔と体のバランス、髪質、雰囲気、踊りの演目、着物の種類などを素早く見極め、「優しく見せたいのか、りりしく見せたいのか。目配り、気配りをすることが大事」と力を込める。一つとして同じ現場はない、毎回が勉強−その姿勢は今も変わらない。
 研究熱心さと、丁寧な仕事は周りからの信頼も厚い。大事な公演には必ず同行を依頼する琉舞の家元をはじめ、「王妃の髪は知念さんでないと」と首里城の歴史イベントにも欠かせない存在だ。
 「より多くの人に琉装に触れてもらいたい。そのためには後継者の育成もしていかないと」と、昨年には「知念範紺(としこ)琉装学院」を設立。伝統文化の継承、雇用促進への働きかけが認められ、国から「職業訓練機関」として認定された。パソコンや簿記教室などが主たる中で、伝統文化の認定校は全国的にも珍しいケース。「相手から指名されるような技を身につけてほしい。私の経験はすべて伝えます!」と指導に心を砕く。


 幼いころから手を動かすことが好きだった。琉舞を始めたのも「琉球人形を作るのが好きで。母親に『あなたの人形は姿勢が悪い』と言われたのを機に、人形作りに生かすため」と語る。その舞踊の発表会でキレイに髪を結うことができず「みっともない格好で舞台に上がった」との苦い経験が、琉装の世界へ入るきっかけとなった。
 持ち前の頑固な性格から、「この人の結い方がキレイだなと思えばどこにでも習いに行ったし、舞台でも髪や衣装ばかり見ちゃう。良いところはすぐ取り入れます」と話す。 写真館で約20年、琉装を手掛けた経験も今に生きている。肩に届かないほど短い髪で「結いたい」という人、大人用の着物を子どもに着せたいという人、さまざまな要望に応えてきた。「美しい姿を提供して喜んでもらいたい。今も昔もそれだけです」ときっぱり。
 琉装を彩る、織りや染め、金細工などの工芸工房に足を運ぶのもライフワークだ。柄の意味、道具の使い方など「少しでも知識を吸収したいから、どんどん質問します。作り手の話を聞くことで、着物や小道具などの適切な選び方が分かるし、『よりよい装いを目指そう』と背筋が伸びる」と技を磨き続けてきた。
 「勉強熱心? いえいえ。『好きこそものの上手なれ』です」と、あくなき探究心を胸に伝統美を支える。(東江菜穂)
 
 
ところで…+α
琉装が似合いそうな人を見かけると、「知らない人でも『琉装してみませんか?』って声をかけちゃう。琉装の魅力を知ってほしいし、絶対に喜んでもらえると思うから」と語る。取材日も高野カメラマンのアシスタントをする、奥さんのひろみさんに「あなた、絶対似合うわよ! ウチで着付けるから、ぜひ!」と猛スカウト。似合う似合わないの基準は、「その人の雰囲気。ピンと来るんですよ」とのこと。残念ながら私には声がかかりませんでした(笑)。
 
P R O F I L E
ちねん・としこ
1944年、久米島出身。63年、玉城節子琉舞道場に入門、琉舞や髪結い、着付けなどの勉強を始める。98年、会主免許を取得。2000年、九州・沖縄サミットでは琉舞公演の結髪で参加。08年、米カーネギーホールでのイベントでは琉装の着付けにて参加。県内外、外国にて琉球舞踊や結髪、着付けなどを積極的に行う。10年、知念範紺琉装学院を設立。後継者育成にも力を注ぐ。
知念範紺琉装学院 電話:098(831)8688 ブログ http://ryusogakuin.ti-da.net/
 
 
 

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