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週刊ほ〜むぷらざ 1281号 2012年1月12日発行
 
 
  「沖縄ヨーロッパマネージメント
 リソーセス」代表
  ミサエ・ランジさん
1009
 
 
 
欧州で沖縄旅行の市場開拓
 
 「豊かで言葉では表現できないほど美しい離島の数々に、ありがちなジャパンブランドのイメージとは全く異なるユニークな文化や歴史に食、ホスピタリティーまで、沖縄はヨーロッパ人が初めて体験するもう一つの日本」と語るのは県出身で英国在住のミサエ・ランジさん。22歳で単身渡英し35年。ロンドンでは初となる日本人VIP専用のガイドサービスを手がけた後、10年前より欧州で沖縄観光の市場を開拓する。「難しいことはあっても不可能はない」が信条のパワフルビジネスウーマンだ。
撮影:高野生優(フォトアートたかの)
 
 
「私は永遠の挑戦者」
 
世界各国の企業が参加するスポーツイベント「ワールドコーポレートゲームズ」の沖縄誘致に向け、夫のマイケル・ランジ氏と共にプレゼンテーションするミサエさん(左から2人目)。「誘致できれば経済効果も大きい。沖縄が国際リゾートとして発展する足がかりとなる」と力を込める。(沖縄コンベンションビューロー)
 
 
 

「旅慣れて成熟した欧州観光客が求める魅力が詰まっているのが沖縄。
夢はミニ・ヨーロッパを作ること」

 
 ロンドンでのネットワークを持ち、ヨーロッパ人の生活習慣や好みを熟知する強みを生かして、沖縄と欧州の観光関係者をコーディネートするのが仕事。三カ月に一度行き来しては沖縄の旅行社、あるいは県に欧州の観光動向や市場についての情報を発信。欧州の旅行社には沖縄の旬の情報をプロモーションする。
 「寒いヨーロッパの国々にとって沖縄は、まさに日本のトロピカルリゾート。一方で本土とは異なる独自の歴史と文化を持ち、豊かな自然の中に息づく健康的な食や生活、人々のホスピタリティーがある。地元の人は『何もないのに』と言うけれど、例えば新原ビーチ近くの民宿でフランス人グループが景色と日光浴を楽しみながら2時間かけて朝食を取ったというエピソードからも分かるように、異文化に触れつつリラックスして過ごせるのが沖縄」とヨーロッパ人が感じる魅力を挙げる。同時に「旅慣れて成熟した欧州の観光客が増えることは国内からの再評価にもつながり、日本人観光客を呼び戻すきっかけにもなる」と示唆する。
 そんな思いから、夫と共にロシアやデンマーク、スイス、イギリスなど諸国で沖縄に関するセミナーを開催し、県と掛け合っては視察旅行を企画。2008年には沖縄コンベンションビューローの旅行博「WTM」への出展を後押しし、国際舞台でのPRをサポートした。ニーズに応える提案力と沖縄、英国、双方で培ったネットワークが実を結び、商品化されたツアーはヒット。今では各国が沖縄商品の開発に乗り出すなど、着実に実績を積み重ねている。


 「強みは明るくあきらめないこと。好奇心もロンドンの梨元ってくらい旺盛よ」と茶目っ気たっぷりに笑う行動派だ。その昔、訪れたばかりの英国で日本食レストランのオーナーに提案したのは、日本人ツアー客向けの弁当販売。「生きるために」と始めた仕事だったがその読みが当たり、現地の旅行社からスカウトされバスガイドへ。結婚後は、送迎つきの日本人VIP向けガイド「リムジンカーハイヤー」で名だたる企業トップらを顧客に抱えるなど、持ち前の商才で次々とビジネスチャンスを見いだしてきた。
 欧州からの旅先として沖縄に注目したのは、弟が他界し帰沖した48歳の時のこと。「当時の沖縄の知人からは『いい年して何言ってんの?』って本気にしてもらえなかったけど、だからこそ燃えたわね。I'm a fighter , and I never give up(私は永遠の挑戦者)」ときっぱり。「でも、一人ではできなかったし、これからもそう。今後は送客を増やすのが課題。そうすれば次は沖縄の人々が世界に飛び出し、成長していける」と国際リゾート沖縄にむけた構想を膨らませる。
 イギリスについては「個々の才能を評価してくれるところが好き。だからこそアイデアを形にできた」と感謝する一方で「故郷はやはり沖縄。今の仕事に就いたのは運命」ともしみじみ語る。
 夢は「沖縄にミニ・ヨーロッパを作る」こと。「幾つになっても人との出会いを楽しみながら何かを生み出し、つないでいきたい」。チャレンジし続けるその姿が、多くの沖縄女性の背中を押す。(徳正美)
 
 「WTM」での商談がきっかけで、09年にデンマークで商品化された「アイランドホッピング」のパンフレット。4泊5日で渡嘉敷島や座間味島などを巡り、ビーチホリデーを楽しむ内容がヒット
 
ところで…+α
 3カ月に1度は必ず沖縄にやってきて、さまざまなスポットを夫婦で視察し、情報収集。ロンドンに居てもネットで沖縄の情報を細かくチェック。何とこの彩職賢美も、ライターの書きっぷりまで熟知されていたほどでした。撮影の際は自身でアングルのアイデアを出し、カメラマンと一緒になって作り上げる姿勢を大事に。撮影そのものも楽しんでくださったようで何よりです。この紙面も12日にはすぐにHPにアップしますから、リアルタイムでご覧下さいね。
 
P R O F I L E
みさえ・らんじ

1954年那覇市出身。寄宮中学卒業後、東京で進学した後、22歳で渡英。1979年に近畿日本ツーリストの現地子会社に入社。その後、大手旅行会社「ミキ・トラベル」へ。足掛け7年間、日本人観光客向けのバスガイドや個人客のガイドを務める。ガーデンデザイナーのマイケル・ランジ氏との結婚を機に退職。日本人VIP専用のガイドサービス「リムジンカーハイヤー」を手掛けた後、2002年より本格的に欧州市場で沖縄のプロモーションを開始。沖縄観光PRを目的にウチナー民間大使である夫と共にロシア、デンマーク、スイス、イギリス、カザフスタンなどでセミナーを開催する。昨年10月の「世界のウチナーンチュ大会」では、「ヨーロッパの視点から見た沖縄の魅力」と題したマイケル氏の基調講演をサポート。メールアドレス:garden.travel@btopenworld.com

 
 
 

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