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| 週刊ほ〜むぷらざ 1282号 2012年1月19日発行 |
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| 技術向上で畳の魅力発信 |
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| 昨年、畳製作分野で県内初の女性一級技能士が誕生した。宜野湾市にある「ひろし畳店」の仲井真悦子さんだ。男性でも合格が難しいとされる一級技能試験へ挑戦したのは、創業者である父親から畳業を引き継いだ責任から。「確かな技術があってこそ、自信を持ってさまざまな提案ができる。日々、勉強です」と真っすぐな眼差しを向ける。自身の子育てを通して、畳の良さも再認識。「畳の魅力を若い世代に伝え、需要拡大につなげたい」。女性ならではの視点とアイデアで、畳業界を盛り立てる。 |
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撮影:高野生優(フォトアートたかの)
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伝統受け継ぐ責任を胸に
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| 一針一針丁寧に、畳縁を縫い付けていく仲井真さん。その表情は真剣そのもの。「ときどき手縫いをしていないと、感覚が鈍ってしまう。先輩方の技術にはまだまだ及ばない。日々、勉強です」と話す |
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| プレゼンテーションをクリアし、昨年10月に出展した世界のウチナーンチュ大会の「ビジネスフェア」で、仲井真さんは琉装に身を包み、来場者に畳の魅力をPRした(写真提供/ひろし畳店) |
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「子育て通し、畳の良さを再認識」/
女性ならではの視点を生かし「若い世代にも受け入れられる工夫を」
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厚さ50ミリの畳に太くて長い針をグッと差し入れ、丁寧に畳縁(べり)を縫い付けていく仲井真さん。「畳一枚を手縫いで仕上げるのに、男性の倍は時間がかかる。体力面ではとても男性にはかなわないけど、畳製作は力任せではない。練習を繰り返す中で少しずつ、キレイに縫い上げる力加減が分かってきた。熟練の師匠たちが、笑いながらスイスイ縫っている姿を見ると、職人ってカッコイイって思います」
現在はさまざまな新素材の材料が使われ、畳を縫うのも機械がほどんどだが、手縫いは、畳職人の基本となる技術。国家技能検定一級畳製作試験では、制限時間内に100%手縫いで大小2枚の畳を仕上げ、敷き込む実技が行われる。スピードと正確さが勝負。
「私の場合、丁寧にきれいに仕上げたいという思いが先に出て、スピードが二の次になってしまいがち。実際、練習では一度も時間内に仕上げられたことはなかった」
通常の業務と家事、子育てをこなしながら、皮がむけ、固くなった手で練習を重ねた。「家族の協力、指導してくれた師匠たち、一緒に試験に臨んだ仲間の励ましに支えられた。本当に感謝です」
実技試験本番では、途中段階で1時間半の大幅な遅れ。「両親や師匠たち、仲間の姿が頭にチラついて、裏切ったら申し訳ないという気持ちでいっぱいに。半泣きになりながらワーッと集中したら思わぬスピードが出て、ラスト3分でどうにか間に合った」
仕上がりの評価も高く、初挑戦にして見事合格。手にした資格が、職人としての自信を後押しする。
もともとは医療機関に勤務し、家業の畳屋を継ぐ予定はなかった。しかし、「県畳工業組合の理事長を務めたり、畳の新開発商品を作り、数々の技術表彰を受ける父の姿を見ているうちに、この技術を終わらせてはいけないという気持ちが強くなった」
畳製作に携わって11年。体力的にはキツイともらすが、「畳を仕上げて現場に敷き込めば一つの仕事は完了。その都度味わう達成感が楽しい。『この畳を入れるのが夢だった。ありがとう』と握手を求められるとうれしくて、疲れも吹き飛ぶ」と充実の表情。
自身の子育ては、畳の良さをあらためて見直す機会に。「クッション性、吸音性があるから、子どもが転んでも、飛んだり転げまわっても安心、安全。同世代のお母さんたちにも良さを知ってもらいたい」
若い世代に畳の良さを知ってもらおうと、職場体験の受け入れやイベントなどへの参加も積極的に行う。昨年は畳業界で初めて、世界のウチナーンチュ大会のビジネスフェアにも出展。畳の魅力をワールドワイドに発信した。
畳離れが進み、畳がなかなか売れない時代。「それを世の中のせいにするのは簡単なこと。作るのも技術だけど、販売するのも技術。畳屋もサービス業だという意識で、できることを探して行動する必要がある。例えば、畳縁の色柄はいろいろ選べるし、縁なしやカラー畳など、洋風の空間にも溶け込むオシャレな畳もある。家づくりの主役は女性。女性の目線でもっといろいろな提案をしていきたい」
共に一級技能士を取得した夫・正峰さんも心強い味方。夫婦二人三脚で、畳需要の拡大を目指す。
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| ■ところで…+α |
| 稲わらを畳床(畳の芯である台の部分)に使った昔ながらのものだと、ゆうに一帖30キロは超える畳の重さ。「ためしに持ってみますか?」と言われ畳に手を掛けたものの、ピクリとも動かない。女性にとって、かなりの重労働だということを実感した。力作業が多いだけに、「腕の筋肉が半端じゃなく太くなった。体のサイズではなく、腕に合わせて服を選ばなきゃいけなくて…」と苦笑いする仲井真さん。オシャレを楽しみたい女心も、仕事への情熱には勝てないよう。 |
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| P R O F I L E |
| なかいま・えつこ |
1971年生まれ、那覇市出身。国際電子ビジネス専門学校を卒業後、医療機関に8年間勤務する。2000年、父親が創業した「ひろし畳店」に入社し、畳業に携わる。現在、夫とともに同店の畳製作の中核を担う。2010年9月、国家技能検定一級畳製作試験に合格し、県内女性初の一級技能士となる。沖縄県畳工業組合青年部にも所属し、畳の普及、需要拡大に向けて活動する。
ひろし畳店/電話:098(897)2230 |
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取材記事・編集/比嘉千賀子
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