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Tさん宅
密集地でも光あふれて
コートバルコニーから光が差し込む対面式キッチン。入り口近くにあるので、前面の壁を高くして手元が見えないよう目隠ししている
(写真/高野生優・フォトアートたかの)
宜野湾市のTさん(46)宅は、北側に道路が接し、3方を住宅やアパートに囲まれている。外観は、コンクリートの箱のような2階建て。だが、室内に入ると雰囲気は一変。2階のダイニングには、コートバルコニーから光が存分に差し込む。「カーテンはせずに過ごしています。日中は、電気も必要無いんですよ」とTさん。密集地でも、伸び伸びと過ごしている。
家族一緒の時間大切に
リビングダイニングで上を見上げると、ハイサイドライトから空が見える。ハイサイドライトの両側は風通しを確保するために、開閉できる窓とした
仕切らずオープン
▲前面が道路、他の3方を建物に囲まれている
▲トップライトから光が入り明るい浴室。転倒防止のために、手すりを設置している
Tさん宅は、1階は駐車場と倉庫。生活の中心は2階だ。駐車場の奥にある光と影に演出された階段を抜けて、2階へ。室内に入ると、急に視界が明るくなる。室内はLDKを中心に和室と子ども室がつながり、大きなワンルームのよう。両側をコートに囲まれ、部屋中が柔らかな光に包まれている。
「どこでも家族一緒がいい」と、仲むつまじい一家。ほとんどの時間をLDKで過ごしている。Tさんは「集合住宅に住んでいたころは3LDKの間取りだったのですが、個室は使っていなかったんです。息子もまだ小さいしオープンに過ごしたかった。あと、周りの視線が気にならないように」と、要望は明確だった。
子ども室や和室は、昼間は開け放って広々と使う。和室は、夜になると仕切りを閉めて布団を敷いて寝室に。用途に合わせて、空間を最大限に利用している。
一方、家事スペースはできるだけコンパクトかつ機能的に。対面式キッチンを中心に、洗濯物を干すサービスヤード、洗面室が直線上に配置されている。「雨を気にせず洗濯物が干せるし、風呂場も換気しやすいくてカビが生えにくい。家族のクロゼットが一つで、片付けも楽」と夫人。
家具も物も最小限
▲子ども室も、おもちゃや勉強道具は収納(左)にしまってスッキリ
「いずれは一戸建てが欲しい」と思っていたTさん。土地は2年ほど掛けて、夫婦の実家に近く、通勤や買い物に便利な住宅地を購入。設計は、雑誌で見たシャープで、温かみのある作風の建築事務所に依頼することにした。Tさんは「それまでに数十の見学会を回ったのですが、事務所に行って即決でした。フィーリングですかね。家を建てた後も家族ぐるみでお付き合いしています」と、相性はぴったりだったよう。
住み始めて3年がたったが、家具も収納も最小限で、室内はスッキリ。一角に、小さな鉢植えや雑貨がコーディネートされ、温かみを添えている。
夫人は「インテリア雑誌を参考に、鉢植えや雑貨を飾るのが楽しみ。模様替えも、ちょくちょくしますね」とはにかむ。毎朝、散歩のついでに家の横の竹の葉を拾うのはTさんの日課だ。
住まいのあちらこちらに、一家の丁寧な暮らしぶりがにじみ出ている。
(栄野川里奈子)
Tさん宅の工夫
南北に開いて28坪でも広々
室内に光を呼ぶコートバルコニー。そばに植えた竹や木のルーバーが、壁の圧迫感を和らげている
生活スペースとなっている2階は、約28坪。限られたスペースでも広く快適に感じられるよう、さまざまな工夫が施されている。
空間をできるだけ広く使えるよう、仕切りは最小限に。水回り以外は引き戸とし、1カ所に収められるようにした。使う時間が限られる寝室や個室は他の空間と併用させて、スペースを効率的に使っている。
また、必要な家具や収納は造り付けにして、省スペース化を図った。用途に合わせてキッチンの前にカウンター、子ども室には机を兼ねた可動式棚を設置。さらに、各部屋の造り付け収納、1階には倉庫を設けている。
明るさを確保するためのポイントが開口だ。南側にコートバルコニー(右写真)と掃き出し窓を、北側のライトコートには窓を設けて、南北から光が通るようにした。リビングの天井に、ハイサイドライトを設けて上からの光も確保。それらの開口から視線が抜けるので、奥行き感も生まれている。
そのほかに高さにも配慮。LDKの天井高を2.6メートル、和室と子ども室を2.3メートルとし高低差を付けることで、オープンな室内に変化をもたらしている。
内から外まで
風通し良い日陰 観葉植物で潤い
階段脇にも鉢植えが並ぶ。白い鉢と砂利が、涼しげな印象を与える
庭がなくても楽しめるのが、鉢植えのグリーン。Tさん宅には、数十の鉢植えがディスプレーされている。
室内に飾ることの多い観葉植物を元気に育てるには、環境と手入れがポイントになる。 観葉植物は基本的に強い日差しに弱いため、「風通しの良い日陰」が適している。ただし、光合成をするために、ある程度の明るさも必要。
手入れは、土が乾いたらたっぷりと水やりを。このほかに特にこの時期注意したいのが、冷房や除湿機で室内が乾燥してしまうこと。葉ダニや病気の原因になることもあるので、小まめに霧吹きで葉に水分を与えよう。
グリーンを引き立たせるには、鉢選びもポイント。例えば、壁や床がホワイトやアイボリーの場合、部屋の床や壁に合わせて同系色にすると明るい印象になるし、黒やグレーなどを持ってくるとアクセントになる。より気軽に楽しむには、土が不要なハイドロカルチャーやエアープランツなどを使うのも一つの方法。
ND企画設計に聞く設計のポイント
柔軟な造りで使い方自在
当初は周囲は空き地だったのですが、敷地を見たときに今後の開発が予測されました。周囲の視線を遮るために外を壁で覆ったダブルスキンの家を提案しました。
外から見ると閉じた箱型のようですが、中は広がりを感じられるよう対面にコートを設置。内部の空間はオープンにして、光や風が行き交うよう考慮しています。熱い空気が上昇する空気の対流を意識して上部にも開口を設け、風の通り道を作りました。
オープンな家は住みこなすのが難しいのですが、奥さんが収納が上手でいつ行ってもスッキリとしています。これだけオープンにできたのは、一家の力が大きいですね。
柔軟な造りなので、お子さんの成長に合わせて住み方を変えてもらえるのでは、と思います。
建築データ
敷地面積 :158.61平方メートル(約48坪)
1階床面積:91.67平方メートル(約27.7坪)
2階床面積:94.85平方メートル(約28.7坪)
建ぺい率 :59.8%(許容60%)
容積率 :94%(許容200%)
用途地域 :第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
躯体構造 :鉄筋コンクリート造
壁式構造
設 計:ND企画設計
施 工:(株)喜屋武建設
電 気:(有)翔電設
水 道:石橋工業(株)
ND企画設計
電話:098・958・3522
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