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第1回沖縄建築賞 入賞作品決まる
 

 第1回沖縄建築賞(主催・同実行委員会)の入賞作品がこのほど決まった。応募総数47件の中から、住宅建築部門は畠山武史氏(40)、一般建築部門は石川保氏(38)の作品が正賞に輝いた。入賞作品7点を紹介する。=敬称略

 

 第1回沖縄建築賞には47件が応募(住宅建築部門26件、一般建築部門21件)。5月1日の書類審査で10件に絞り、同月19〜21日に現地審査を行った。21日の最終審査で、審査委員長の古市徹雄氏を含む審査委員7人が議論を重ね、正賞に住宅部門は畠山氏、一般部門は石川氏の作品を選出した。
 住宅・一般両部門から正賞に次ぐ作品として「タイムス住宅新聞社賞」には、大城貢氏(54)の作品が選ばれた。40歳以下の若手建築士が対象の「新人賞」は該当者なし。「審査委員特別賞」は國場幸房氏(75)の作品を選出した。表彰式は6月8日(月)午後2時から、那覇市のタイムスギャラリーで開かれる。

 
> 表彰式の様子はこちらへ <
 
 正賞(2点) 
 
 住宅建築部門 
海をのぞむ家  
うるま市
畠山武史(40)
 一般建築部門 
SOLA 沖縄保健医療工学院  
宜野湾市
石川保(38)
   
 タイムス住宅新聞社賞 
 
 一般建築部門 
Vernacular create Apartment
沖縄市
大城貢(54)
 
   
 奨励賞(3点) 
 
 住宅建築部門 
風を生み、空に近づく家 
浦添市
前田慎(45)
 一般建築部門 
那覇市民共同墓 
那覇市
伊良波朝義(48)
 住宅建築部門 
森をクサティにしたセカンドハウス
石垣市
門口安則(52)
 
   
 審査委員特別賞 
 
 一般建築部門 
那覇市本庁舎  
那覇市
國場幸房(75)
 
 
 総評 ― 古市徹雄審査委員長 
 地元材使った提案望む 
古市徹雄審査委員長

 第1回沖縄建築賞の審査委員長を務めさせていただいたことは、大変光栄である。
 沖縄、琉球の伝統建築には自然と巧みに共生する先祖の叡智(えいち)が多く含まれている。それらは風、光などの風土に根ざした建築である。
 20世紀に入り、科学技術は目覚しい発展を遂げ建築はひたすら機械化による快適な生活を目指してきた。箱の中に閉じ込められても機械が空調してくれ、電気が部屋を明るくしてくれた。
 いつしか我々は先祖が長い時間をかけて作り出してきた自然の中で生きる叡智を失いかけてしまっている。
 しかし機械を動かすためには莫大な化石エネルギーを消費する。その結果、地球は現在、環境破壊という危機的な状況にあり現代建築はその責任の多くの部分を負っている。
 そういう中、今回の応募作品にはそれらの問題に対する積極的な提案が見られた。沖縄の伝統を意識した提案も見られた。
 今、現代建築は新しい様式を模索しているが、沖縄から新しいモデルが提出できるのではないかとさえ期待させる。
 台風など厳しい自然との闘いの中、コンクリートの建築が増えてしまうのは止むを得ないが、伝統から学ぶ地場産材のより積極的利用に対する挑戦も望まれる。
 審査を終えて思ったことは沖縄の建築は全国的に見てもレベルが高いことだ。今回、選ばれなかった作品の中にも秀作が多く見られ、審査は白熱した。
 将来、ますます沖縄建築の存在感は高まることだろう。(建築家)

 
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